電話でご相談をいただくとき、「どんなハチですか」とお聞きしても、多くの方は答えられません。当然です。怖くて近づけないのですから。
そこで代わりにお聞きしているのが巣の形です。巣は動かないので、離れた場所から落ち着いて観察できます。そして種類ごとに形がはっきり違います。
巣の形で見分ける
| 種類 | 巣の見た目 | できる場所 |
|---|---|---|
| スズメバチ | 球形・とっくり型。表面がマーブル模様(茶色と白の縞)。外皮に覆われ、中は見えない | 軒下、屋根裏、床下、壁の中、樹洞、地中 |
| アシナガバチ | シャワーヘッド状。六角形の部屋がむき出しで下向きに並ぶ。灰色 | 軒下、ベランダ、物干し竿、庭木の枝 |
| ミツバチ | 板状の巣が何枚も垂れ下がる。黄色みがかっている | 壁の中、床下、天井裏、樹洞 |
スズメバチの巣
初期は白っぽいとっくり型で、8〜10cmほど。夏を過ぎると球形になり、大きいものは直径40cmを超えます。外側が皮に包まれていて中が見えないのが最大の特徴です。表面にマーブル模様が入ります。閉鎖された場所を好むため、屋根裏や壁の中に作られると外からは見えません。
アシナガバチの巣
六角形の部屋がむき出しになった、シャワーヘッドのような形。外皮がないので、中で幼虫が育っているのが見えます。大きくなっても直径10cm程度で、スズメバチほど巨大にはなりません。
ミツバチの巣
板状の巣が何枚も垂れ下がる形。壁の中や床下に作られると、外からは出入りするハチしか見えません。放置すると蜜が壁を伝って染み出し、その匂いで別の虫を呼びます。撤去は巣板と蜜の清掃まで含めて考える必要があります。
飛び方でも違いが出ます
- スズメバチ — 直線的に速く飛ぶ。近づくと顔の周りを旋回し、カチカチと顎を鳴らす(威嚇)
- アシナガバチ — 脚を垂らしてゆらゆらと飛ぶ。動きがゆっくりで、こちらから刺激しなければ攻撃してこない
- ミツバチ — 小さく丸い体で、花の周りを行き来する。刺すと針が抜けて死ぬため、攻撃性は低い
危険度と対処の違い
スズメバチは、種類が分かった時点でご自分での対処をあきらめてください。攻撃性が高く、巣に近づくだけで警告なしに襲ってくることもあります。何度でも刺せるうえ、仲間を呼びます。市販の殺虫剤で対処しようとして、集団に襲われる事故が毎年起きています。
アシナガバチは比較的おとなしく、巣が小さいうちなら市販のスプレーで対処できることもあります。ただし刺されたときの痛みは強く、アレルギー反応のリスクはスズメバチと変わりません。手が届く高さで、直径5cm程度までで、夜間に作業できて、防護できる服装がある。この条件がすべてそろわないなら、無理はしないほうがいいです。
ミツバチは攻撃性こそ低いものの、群れの規模が大きく、壁の中の巣板と蜜の撤去には手間がかかります。蜜を残すとシミやカビ、別の害虫の原因になるので、駆除だけして終わりにはできません。
種類が分からなくても大丈夫です
お電話の際は、分かる範囲で構いません。「巣の色」「大きさ」「形が丸いか、シャワーヘッド状か」「地面からどのくらいの高さか」。この4つが分かれば、持っていく装備を決められます。分からなければ「分からない」で結構です。現地で確認します。