次の症状があれば、迷わず119番してください。刺された場所とは関係のないところに全身のじんましんが出る/息苦しい・ゼーゼーする/声がかすれる/めまい・立っていられない/繰り返す嘔吐や腹痛/顔が青白くなる。これらはアナフィラキシーの可能性があります。数分から数十分で急激に進むことがあるため、様子を見ないでください。
1. まず巣から離れる
刺されたということは、巣がすぐ近くにあるということです。同じ場所にとどまっていると、次々に刺されます。手当てより先に、その場から離れてください。走って逃げて構いません。屋内に入れるなら入ってください。
スズメバチは、刺すときに仲間を呼ぶ物質を出します。1匹に刺された直後は、集団で襲われる危険が最も高い瞬間です。
2. 傷口を流水で洗いながら、毒を絞り出す
安全な場所に移ったら、刺された場所を流水で洗いながら、指でつまんで毒を絞り出します。水で洗い流すこと自体に、毒の濃度を下げる効果があります。
市販のポイズンリムーバー(吸引器具)があれば使ってください。アウトドア用品店や薬局で1,000〜2,000円程度で売っています。山や庭仕事の多い地域では、常備しておく価値があります。
やってはいけないこと
- 口で吸い出す — 口の中に傷や虫歯があると、そこから毒が入ります
- アンモニア・尿をかける — 古くから言われますが、ハチ毒には効きません。かえって傷口を汚します
- 強くこする — 毒が広がり、腫れがひどくなります
3. 冷やす
洗ったあとは、保冷剤や濡れタオルで冷やします。痛みと腫れが和らぎます。抗ヒスタミン成分の入った軟膏(虫刺され用)があれば塗ってください。ステロイド外用薬も有効です。
4. 安静にして、しばらく様子を見る
アナフィラキシーは刺されてから15分から30分以内に出ることが多いとされています。この間は横になって安静にし、一人にならないでください。買い物や車の運転はしないでください。
ミツバチに刺された場合は、針が残っていることがあります。針の根元には毒袋が付いていて、つまむと毒が押し込まれます。ピンセットでつまむのではなく、カードの縁などで横に払うように取り除いてください。スズメバチとアシナガバチの針は残りません。
2回目が危険、というのは半分正しい
「ハチに刺されるのは2回目が危ない」とよく言われます。これは体が一度ハチ毒を経験して抗体を作るためで、間違ってはいません。ただし初めて刺された場合でも重いアレルギー反応が起きることはありますし、逆に何度刺されても平気な方もいます。回数だけで安心も心配もしないでください。
過去に刺されて全身症状が出たことのある方は、医師に相談してエピペン(アドレナリン自己注射薬)の処方を検討してください。庭仕事や山歩きの機会が多い方は特にそうです。
病院に行く目安
- 刺された部位以外にも症状が出た → すぐに救急
- 刺された箇所が広範囲に腫れる、腫れが翌日以降も引かない → 皮膚科・内科
- 複数箇所を刺された(特に10か所以上) → 全身症状のリスクがあるため受診
- 顔や首、口の中を刺された → 腫れで気道が狭くなる恐れ。受診をおすすめします
- 過去にハチで具合が悪くなったことがある → 症状が軽くても受診
そして、巣はそのままにしないでください
刺されたということは、その巣は人の生活圏と重なっているということです。同じ場所でまた刺されます。手当てが済んで落ち着いたら、巣の場所を確認して(近づかず、離れた場所から)ご相談ください。